ココがポイント
展着剤は「種類」と「混ぜ方」を正しく使うことで、あまり使いたくない農薬の使用回数を減らすことができます。
展着剤を混ぜて一手間加えることにより、
- 農薬の効果の有効な期間がのびます。
- 同じ分量を散布しても、農薬の効果がまんべんなくいきわたります。
- 農薬をかける回数が減ります。
ココがポイント
つまり、展着剤を上手に使えば減農薬栽培できるというわけです。
■展着剤の作り方、混ぜる順番が大切
展着剤の効果が100パーセント発揮されるために、まず1番に展着剤を水に混ぜる必要があります。
展着剤を混ぜる手順
- 展着剤を水と撹拌(かくはん:混ぜること)する
- 次に殺菌剤を混ぜる
- 次に殺虫剤を混ぜる
- 最後に液肥を混ぜる
この順番で行います。
この順番はキャベツの栽培講習会で農薬メーカーが説明してくれた混ぜ方です。
この順番でかくはんすることで、展着剤がしっかりと水に混ざり、農薬を散布するときに展着剤の効果を発揮してくれます。
□キャベツは展着剤がないと農薬の効果を発揮しない?
そんなことはありません。
実際に、展着剤を知らずにキャベツの農薬を散布したこともあります。
最初の頃は展着剤っているの?くらいに思っていましたので、高いし、いらないよね。って混ぜていませんでした。
□【減農薬】キャベツに農薬散布。展着剤のあるなしでどれくらい変わる?
実はけっこう変わります。
展着剤を混ぜて一手間加えることにより、
- 農薬の効果の有効な期間がのびます。
- 同じ分量を散布しても、農薬の効果がまんべんなくいきわたります。
展着剤を混ぜて散布したほうが、期間と効果ともにより効果を発揮できるので、
農薬をかける回数が減ります。
ココがポイント
つまり、展着剤を上手に使えば減農薬栽培できるというわけです。
では、具体的に「持続する期間」と「持続する効果」で解説していきます。
◇【実体験】展着剤を混ぜて作った農薬の持続する期間は伸びた。
3日間→10日間に、虫がつくまでの期間が延長されました。(実体験)
条件は、アニキ乳剤の1000倍をキャベツにかけた場合です。違いは、展着剤のありなしです。
ココがポイント
展着剤を正しい手順で混ぜた場合、農薬散布してそろそろ次をかけなければ虫の被害が広がるなーと感じたのは10日くらいでした。
14日になると、あー、もう少し早くかけたほうがいいなって思うかくらい虫に食われています。
展着剤を混ぜない場合、農薬散布してから虫がついたなって感じるのは3日から5日くらいでした。
◇【ムラ減少】展着剤を混ぜて作った農薬の持続する効果(かけムラ減少)
展着剤を使った場合、農薬のかけムラが軽減されています。
条件は、アニキ乳剤の1000倍をキャベツにかけた場合です。違いは、展着剤のありなしです。
展着剤を混ぜていない場合、おそらくかからなかったところが食べられています。
おそらくというのは、かかったかどうかは色がつくわけではないので判別しにくいからです。
展着剤を混ぜている場合は、展着剤のスカッシュの場合、農薬がかかっていないところにも広がるのでかなりムラなくかかる感じです。
けっこうあることですが、農薬を散布するとき、散布ノズルが詰まるんですよね。
毎回詰まったら掃除するとか、すればいいんですがつまったことに気がつかないこともあります。
ココがおすすめ
かけムラが展着剤でけっこうカバーされている感じです。
■展着剤のオススメはスカッシュです。
一番愛用して使っているのが展着剤のスカッシュです。
展着剤の作用性に注目して使っています。
スカッシュを混ぜると、一滴落ちたところから波紋状に広がります。
直径1センチの水玉が直径3センチまで広がるようなイメージです。
展着剤をなしでかけるより
- 流れ落ちない。
- 水玉にならず、葉にしっかりと広がる
という、全然違う効果があります。
展着剤の種類や正しい作り方
展着剤とは
【植物の濡れやすさを示す表】
よく弾くものほど、展着剤の効果は高まる。
葉の水の弾き度合い | 対象の作物 |
水泡をよく弾く | キャベツ、里芋、ネギ |
水泡を弾かない | 白菜、きゅうり |
展着剤は大きく分けて3種類あります。
展着剤の種類 | 展着剤の特徴 |
一般の展着剤 | 最も種類が多く、一般的に使われる展着剤 付着する力を強化する |
機能性の展着剤 | 一般的な効果に加えて、防除対象の内部まで浸透させる効果を持っている。 防除効果が高くなるが薬剤によっては薬害が出やすくなるため、使えるか確認しましょう |
固着性の展着剤 | 付着性に加えて、薬液を表面に固着させて残効性や耐雨性を高める |
スカッシュは機能性と固着性の2つが実用的な展着剤です。