ニンジンや、玉ねぎは農薬を使わずに栽培できても、
流石にキャベツで無農薬は無理だと思いました。できるだけ少なく使用し、キャベツを作り続けれるための農薬の種類と使い方を解説します。
こんな方におすすめ
- キャベツにかけるのは少量でも、ちゃんと効く農薬とその使い方を知りたい
- キャベツが病気になる時期と、その病気に対応する農薬が知りたい
- いつ、どんな農薬をキャベツに使えば上手くいくかわかる
よく店頭で「べと病にはこの農薬!」とありますよね。
でも、実際にやってみたけど、うまく効果が発揮できなかった。という経験をします。
- せっかく買った農薬だけど、虫が死ななかった。
- 農薬をかけたのに、うまく育たなかった。
これはほんと、あるあるです。
なぜこんなことが起こるかというと
農薬をかけたのにうまくいかない理由
- 実は、上手に散布できていない
- 実は、使用するタイミングが間違っている
- 実は、その虫に、その農薬は効かない
うまく散布できていない、タイミングが悪い、対象外だった。
という理由です。
こういった、「用法、用量を守って正しくお使いください」系のものは、
基本が大切なのですが、わかりにくいものです。
この記事は、
下記のように、農薬のわかりにくい「用法、用量」について、わかりやすく書いています。
べと病を防ぐには
下記の用法、用量を守る必要があります。
ココがポイント
べと病は寒くなってからよく出てくるので、11月にランマンフロアブルを2000倍で散布すれば、
べと病を減らせます。
と、
- いつ
- 何を使えば
- どんな病気が防げるか
しっかり書いていて、
とても使いやすい記事にしています。
■キャベツの農薬を少なく済む使い方
キャベツの農薬は出来るだけ少なくしたい!
農薬代金もバカにならないので、しっかりとキャベツを守って少なく済む農薬を知りましょう。
最低限かけないといけないキャベツの農薬のポイントと使い方です。
□キャベツの農薬で展着剤を使って減農薬に出来る
キャベツの農薬を使うのに必須の展着剤は、スカッシュです。
スカッシュを選ぶ理由は、かけムラがあっても、スカッシュはよく広がり、カバーしてくれるからです。
おかげでキャベツの農薬を少量でもちゃんと効くので、減農薬にできます。
展着剤は、キャベツの農薬散布に必須です。
理由は、キャベツは水を弾くから。
展着剤なしに、農薬は滑って全然かかりません。
無駄遣いになってしまいます。
その証拠に、雨の日の後の収穫時のキャベツは、水がジャーっと流れ出るくらい、水を弾きます。
■キャベツの農薬の使う量をケチって失敗したポイント
キャベツを満足に収穫するために、この最低限かけなければいけないポイントに絞って書いていきます。
キャベツに必須の農薬を最低限にするポイントを知っておくことで、必要以上にかけず、減農薬で作れます。
□キャベツ苗植え付け直後のシンクイムシ対策農薬の使い方
キャベツ苗を植え付けてから9/10くらいまでは、シンクイムシ期間です。
シンクイムシの農薬は、アニキ乳剤です。
1000倍に薄めて使用します。
アニキ乳剤を薄める倍率は1000〜2000倍とありますが、1000倍で薄めます。
2000倍でもいいかと思うのですが、キャベツの芯を食べられたら収穫出来ずに終わってしまいます。
そこでケチっても仕方ないので、1000倍で農薬を散布します。
□キャベツ成育期のアオムシ系、ヨトウムシ系の農薬の使い方
アオムシ系、ヨトウムシ系は、とにかく葉を凄い勢いで食べられます。
外葉を大きく育てることはいいキャベツを作るのにとても大切なので 無視からしっかり守りましょう 。
アオムシヨトウムシの農薬はプレバソンです 。
プレバソンは2000倍に薄めて使用します。
プレバソンは展着剤が必要ないので その分、経済的です 。
□キャベツが消えていく!病気対策の農薬の使い方を知らなくて、出来たキャベツが半分消えた。
◇「農薬の使い方」9月から10月にかけてキャベツの軟腐病と 黒斑病 のピーク
9月から10月にかけて軟腐病と黒斑病の 発生のピークが来ます 。
発生したときは実際大した被害ではないのですが 、後々収穫する時にものすごい被害になります 。軟腐病はキャベツができた時に、 何か腐りが多い 。といった感じで 、収穫する時に気づきます 。収穫した時に半分腐ってるなんていうところは 難病が多いです 。
黒斑病は 、キャベツを収穫する時に気付くのですが 、キャベツの裏側に黒い点がポツポツと付いている
ということが意外とあります。
十個程度ならいいのですが 、過去に100個作って50個ほど黒斑病が出ていたということがありました。
黒い点から、 納豆のような白い糸が出ていて 、カビになってしまいます。
1月とか2月に多く出てきて、 キャベツの奥まで黒くカビていきます。
軟腐病と黒斑病は合わせるとキャベツの2、3割が駄目になってしまうぐらい出てしまうこともあるので、結構危険な病気です 。
キャベツを作ったことのない土地でも結構出ます 。
◇軟腐病と黒斑病のキャベツの農薬を使うタイミング
軟腐病と黒斑病は 、キャベツを植えてから台風が来た後に、できれば1日以内にかければ ほぼ防ぐことができます 。
このタイミングでかければ私も 軟腐病と黒斑病を ほぼゼロで防ぐことができました 。
よくある質問で台風が来るたびにかける必要があるのかと聞かれますが 、台風が来るたびにかけて います。
◇キャベツの軟腐病、黒班病を 予防する農薬はバリダシン 。その使い方
軟腐病黒斑病を予防するの薬はバリダシンです 。
バリダシンは800倍で薄めて使用します 。
カビを防ぐために バリダシンには 展着剤のスカッシュを混ぜます 。
□農薬の使い方を知らないと、出来たキャベツが次々に腐っていく…。腐り系の病気は予防しないと止められない。
キャベツが次々に使っていく病気に菌核病があります 。
キャベツは突然腐りだすわけではありません 。
腐りの予兆が出てから1ヶ月後2ヶ月後に 私たちが「あ、腐ってるやん」と気が付くわけです 。
気がついてからでは遅く 、腐りが出る時期が あらかじめ予測されているので 予測された時期に対処することで予防して1、2ヶ月後に鎖を防ぐことができます 。
◇「キャベツの農薬の使い方」10月から11月にかけて 菌核病のピーク
10月から11月にかけて菌核病のピークが来ます 。
これは菌核病の発生のピークで 、実際にキャベツが腐ったと思うのは12月から2月にかけて が一番多くなります 。
つまり 、10月から11月に予防して 、12月から2月の病気を防ぐということです 。
◇菌核病の予防のタイミング「キャベツの病気予防の農薬の使い方をしろう」
菌核病は 、土に隠れています 。
なのでキャベツ本体にかけるのをしたいのですが 、土にもかけることが必要です 。
大雨による 土の跳ね返りが キャベツにつき そこから菌核病が繁殖し キャベツがしっかり巻いてできた 。と思った頃に一気に腐り始めます 。
このように考えると、原因は土の跳ね返りに一端があるので、マルチをすれば防げるのでは?と思います。
実際、黒マルチをしたキャベツは、菌核病がほとんどみなかった気がします。
◇キャベツの菌核病を予防する農薬は シグナム。その使い方
キャベツの外葉が広がりきらない時に シグナルをたっぷりかけます 。土の表面にかけることが必要なので 、シグナムだけはたっぷり目に作ります 。
30坪で20リットルです。
シグナムは1500倍で薄めます 。展着剤のスカッシュを使います 。
キャベツの葉にかけるだけならこんなに必要はないですが 、キャベツの葉プラス 周りの土全体にかけることが必要です 。
そうすることで土の跳ね返りから 菌核病を防ぐことができます 。
実際に1000株作って菌核病は10個あるかないかというぐらいです 。
■キャベツの農薬の使い方。アブラナ科のアブラムシ対策
アブラムシはあっという間に繁殖し、多くなってしまうと農薬かけたのにまだ生きていて、1週間後に元どおり。
なんてこともよくある話です。
効かなくなる前に、少ないうちから予防しておかないと、アブラムシで致命的に取れなくなってしまいます。
□アブラムシはどんなときにつく?
今までの経験では
- 植え付けの直後にちらほらとアブラムシが見られた。
- 10月以降の寒くなってから12月までの間に葉の間に入り込む 。
というパターンが一番多いです 。
特に白菜の場合は10月以降から12月にかけてアブラムシが葉の間に入り ものすごい量が繁殖します。
◇ 白菜の10月以降のアブラムシ対策 農薬の使い方
白菜の10月以降に繁殖するアブラムシに対する農薬は アドマイヤー 、モスピラン、ウララ DF、 の3種類です。
完全に防ぐならば一週間おきに次の順番でやります。
- アドマイヤー
- モスピラン
- アドマイヤー
- 仕上げにウララ DF
この順でやれば、完璧と言えるでしょう。
アブラムシが残らないよう浸透させるために、展着剤はスカッシュを使います。
■キャベツや白菜等の大敵、アオムシ系対策の農薬の使い方
キャベツや白菜の青虫系は8月から11月末までかなり量が多いです。
モンシロチョウの幼虫やコナガの幼虫、ヨトウガの幼虫(ヨトウムシ )、ハスモンヨトウ、タマナギンウワバと種類もたくさんです。
□「キャベツの農薬の予防の使い方」青虫型対策は8月から11月末までしっかりと 予防&対処 。
病気よりも青虫の方がまだ見つけてからの対処が間に合います 。
テデトール で手でとる方法が間に合う場合なら手でとっています。
◇私が使ってていいなと思う農薬は、アニキ乳剤 とスピノエース顆粒水和剤 です。
アニキ乳剤は1000倍で薄めて使います 。
スピノエース顆粒水和剤は2500倍で薄めて使います 。
両方とも 展着剤が必要でスカッシュを使います 。
スピノエース顆粒水和剤は 、有機 JAS にも使用可能な農薬で 、化学合成農薬ではありません 。
その上効き目がありますので 、かなり安全に使用できます 。
ただスピノエースを連用していると 、聞かなくなってしまうので 、1回おきにアニキ乳剤を挟みます 。
この二つをローテーションすることで 、片方を単体で使用するよりも ずっと効き目が続きます 。
ココがポイント
アニキ乳剤もスピノエースも シンクイムシにも効きますので 二本もっていればかなり 害虫を防ぐことができます 。
■キャベツ苗の大敵、シンクイムシ対策の農薬の使い方
シンクイムシはオオタバコガやハイマダラノメイガ です。あっという間に芯だけ食べてしまいます 。
□シンクイムシだけは絶対防除(防御)すべし「キャベツのシンクイ農薬の使い方」
キャベツの苗の芯は小さく、シンクイムシは集中的に「芯のみ」狙ってきます 。
ですので 虫が食べたら効くというタイプの 「食毒系の農薬 」では遅い場合があります 。
ではどうしたらいいのかと言うと 、「接触毒系の農薬 」を使います。
それがアニキ乳剤です 。
ここでもアニキ乳剤は1000倍で使います 。
シンクイムシ系はテデトールも間に合わないので (気がついた頃には芯がなくなっているから)こればかりは農薬に頼ります 。
■キャベツ苗の土中の食い荒らし、コガネムシ対策(農薬使いません)
コガネムシがネキリムシだったりもします 。キャベツ苗や白菜苗の
首がぱたっと倒れているのがネキリムシです。
コガネムシは草が多い畑によくいます 。
□コガネムシは土作りで撃退できる。「ここはキャベツの農薬を減らせる」
草が生えたらすき込んで、よく耕すことで、ほとんどいなくなります。
土作りの一環とも言えます 。
草が生えたらすき込む。という土づくりを繰り返すことで、土はよく肥えていき、コガネムシはちゃんと減少していきます。
■キャベツ生育中のカビや細菌、ウイルスによる病気対策(殺菌剤)の農薬の使い方
キャベツの菌核病 、根こぶ病 、軟腐病 。どれも長年続き、キャベツや白菜が作れなくなってしまう重大な病気です 。
しかし殺菌剤を上手に使うことで 活性を最低限にすることができ 作れなくなるということはないと思います 。
□キャベツの農薬の使い方で、殺菌剤の重要性
殺菌剤を使うと言うと なんだかよくないように聞こえますが 、
作物を作る上で 病気に対する対処が予防策としてない限り 、野菜の病気がクラスターを作ってしまいます 。
作っていてなんか病気でうまくいかない 。
と感じたならば、殺菌剤を学んで、病原菌を畑の土に広げないようにしてください。
あっという間に、作れなくなってしまいます。