- 水はけが悪い土の対処をしりたい
- 硬くて籾殻を入れた方がいいか、どのくらい入れたらいいか迷っていたり
- どれくらい深く耕せばいいか知りたい方
には、とても役に立つ記事になっています。
■野菜の作り方。固い粘土質の畑で土づくりをするために行うこと
固い粘土質の畑で野菜はできます。
- もちろん、土をふかふかにすることは出来ます。
- 固い状態の粘土質の畑でも、野菜を作ることは出来ます。
嘘やん。と思うかもしれません。
めいきょ+耕運を組み合わせてみてください。
これが結論です。
簡単にステップにすると
- 溝を掘ることが粘土質の土で野菜を作るのにとても大切です。
- 水はけをよくした上で、畝を20cm〜25cm作ると、とてもよく育ちます。
- 肥料は多めに入れて、肥料の力で作るイメージです。
何年か作っていると、少し肥料を少なくしてもできるようになってきます。
□2021年でもやってる農家が実践する野菜の作り方
固い粘土質での野菜の作り方、砂地での野菜の作り方は別です。
- 砂地では大抵の野菜を作ることができます
- 特に根菜類は長く、真っ直ぐできます。
- 砂地での野菜作りは肥料が抜けやすく、乾燥しやすいので水がたくさんやれる環境と、思ったよりも多くの肥料を必要とします。
粘土質の畑での野菜の作り方
- 水はけが悪い場合は、溝を掘り、水はけをよくします
- 【空気の層を増やします】粘土質の畑は土の密度が高く、空気の層がないので水はけが悪く根が張りません。
- 空気の層を増やすには、堆肥、籾殻、落ち葉などのバーク堆肥を混ぜ込むことで増やし、野菜ができる土になります。
- 基本は、とにかく耕運です。
- 粘土質の畑はミネラル分が多く、砂地に比べ肥料が少なく、味の濃い野菜ができます。
上記の手順を踏んでいけば、
土が固いと野菜が出来ないわけでもなく、砂でサラサラだから野菜ができるわけでもないのですね。
今も3000坪ほどでニンジン、キャベツ、白菜、ブロッコリーを作っています。
ほとんどが固い粘土質の畑で作っています。
もちろん、ちゃんとスーパーに並ぶ品質のお野菜ですから、ちゃんと固い粘土質の畑で作れるわけです。
□【これは無理】粘土質の畑で出来ないことは、砂の畑にすること
どうしても無理なことは、固い粘土質の畑で砂地の畑にすることは出来ないということです。
物理的に砂を買ってきて入れることは可能ですが、砂の畑にはなりません。
ここでは、固い粘土質の畑で野菜を作る方法を解説します。
■野菜の作り方ステップ1〜4:収穫0から4000玉取れる畑にした方法
10年経った今でも、固い粘土質の畑は固いままです。
なぜなら、土の性質が粘土質だからです。
10年前、有機JASで野菜を作るときに、土が粘土質で水はけが悪く、どうしようもありませんでした。とにかく、山のような土壌改良作業ののち、収穫0.または微々たるニンジン150本程度でした。
そんな様子をつくれるようになるまでのステップ別で説明していきます。
□ステップ1:雑草生が茂る中での野菜の作り方(雑草の泡立草がボーボーのときの対処)
畑を借りた1年目は、背高泡立草(セイタカアワダチソウ)が2メートルの高さで生い茂っています。
耕作されていない畑や田んぼが2年以上経つとこんな感じです。
とにかく、セイタカアワダチソウを刈り取らなければはじまりません。
トラクタが借りれる方か、やってもらえるあてがある方は、ハンマーナイフモアで粉々に裁断してしまうのが1番良いです。
私は当時機会を持ってなかったので、草刈機で刈り取りました。
セイタカアワダチソウを刈り取る草刈機は、エンジン式の草刈機でないとパワーが足りません。
◇野菜を作るための開墾。草刈機を楽に扱う方法
- 草刈機の刈り刃は直径が30センチの幅広で、
- チップの接着が強いものがオススメ。
その理由は、直径が30センチと24センチでは、刈り取る幅が6センチ違うので、作業時間が相当かわります。
チップの接着が固いものは値段が高いのですが、耐久力がとても高いです。
安いものはすぐに刈り刄であるチップが飛んでしまい、
切れなくなり追加で買うことになり高くつきます。
安いものに比べ価格は1.3倍程度で、耐久力が2倍はありますし、上手に使えば4倍持ちます。
私はクボタの純正品30センチのチップソーを使っています。価格は展示会価格で2500円でした。
□ステップ2:水はけの悪い土での野菜の作り方、対処方法
硬い粘土質の畑で、水はけが悪いのはよくあることです。
ステップ1で
セイタカアワダチソウなどの雑草を刈り終わると、
ようやく水はけが悪いことに気がつけます。
様々な方法を使った結果、めいきょが1番水はけをよくすることができます。
しかも、長期間(5年ほどは水捌けの良さを維持できて)作物が作れるレベルになります。
水はけが悪い畑で、
周りの農家の方々が出してくれる意見をたくさん試しました。
試した方法
水はけの悪い畑にやってみた方法
- 緑肥で、繊維を増やしたり、硬盤層(こうばんそう:水の浸透しない、硬い層のこと)の破壊
- もみがらをいれる
- 土壌改良材をいれる
- 明渠(めいきょ 溝のこと)を掘る
- 弾丸暗渠(だんがんあんきょ 直径10センチほどの鉄の弾丸を地中に走らせて、即席あんきょをつくるトラクターのアタッチメント)で畑の地下に排水路を掘る
など様々な対応をしました。
それだけのことをやってきた結果、
- めいきょさえしっかり作り、畑の外から入ってくる水を排水する
- 雨で畑に降った水を速やかに排水するためにめいきょにつながる水路を掘る
この2つがとても重要です。
今では、新しく畑を借りても、まずめいきょ(みぞ)を畑の四すみに掘ります。
土手から流れてくる水を畑に入れないように水路をつくるのです。
それだけで劇的に粘土質の固い畑の水はけがかわります。
少しずつ試すといいのですが、
- 常に水没している畑では、1mの溝。
- 雨が降ると、1週間以上ジメジメする畑では50cmの溝
- なんとなく水はけが悪い気がする程度の畑では、30cmの溝
を掘ると、かなり良くなります。
□ステップ3:いよいよ野菜の作り方。(固い粘土質の畑で、有機JAS農法でニンジンを作った方法)
野菜といったら無農薬野菜ですよね!
無農薬で虫がつかない野菜といえばニンジンです。
- 固い粘土質の土をサラサラに耕しました。
- 高さ20センチの畝を作って、ニンジンの種を蒔きました。
- ニンジンは出来ましたが、短いものや、まっすぐでないものが多く、腐ったものも多かったです。
ニンジンを粘土質で上手に出荷レベルで作る方法は、甘い「糖度13度」ニンジンを栽培する方法で詳しく書いています。
□ステップ4:間違いなく作れる野菜の作り方(粘土質に適した野菜の作り方)
キッカケは、
キャベツ農家の先輩に、
「俺ならここでキャベツ作るよ。キャベツにはめっちゃ良い畑!」と言われたことでした。
ならば作ろうと思い、キャベツ、白菜、ブロッコリーを作りました。
結果はとてもよくでき、腐りはほとんどなく、ほぼ95%収穫できました。
その時に作ったキャベツの栽培方法は下記のリンクで見ることができます。
■野菜を作る耕運(固い粘土質の畑を土づくりするための耕運方法)
固い粘土質の畑はダメなのか?
ダメじゃないです。
その理由は、私の野菜を作る畑のほとんどが固い粘土質畑で野菜が出来ているからです。
それはふかふかの畑で野菜を作るための作り方をしているからです。
固い粘土質の畑で野菜が出来る作り方をすればちゃんとできます。
□野菜が作れる畑にするには耕運が基本。
耕運することで、固い粘土質の畑に酸素が入ります。
ただそれだけのことですが、耕運を繰り返すだけで、畑は良くなっていきます。
嘘やん。と思うかもしれません。
そう思う方は、
先ほど紹介した、
めいきょ+耕運を組み合わせてみてください。
これが結論です。
◇野菜が作れる耕運のタイミング(固い粘土質の畑の場合)
草の芽が出てきたら耕運する。
雨が降ったら、乾いてきたら耕運する。
表面が乾ききらないうちに耕運すると、負荷が少ないです。
粘土質の畑の耕運方法の特徴ですね。
◇野菜の根が育つ耕運の深さ(固い粘土質の畑の場合)
最初は1センチでも大丈夫です。
1センチで野菜が出来る?と聞かれれば、立派なものは出来ません。
1センチしか耕運出来ない土で野菜を作るなんて早すぎます。
- 1センチ耕運したら、次は2センチは簡単です。
- 2センチ耕運したら、5センチ入るようになるでしょう。
- 5センチ耕運したら、10センチくらいに耕運出来るようになります。
このように、耕運するたびに少しずつ深くしていきます。
◇野菜が作れるようになるまでの耕運の頻度(固い粘土質の畑の場合)
上記の耕運方法で、耕運していく頻度についてです。
耕運の頻度は1日おきでも大丈夫です。
- 1センチ耕運し
- 2センチ耕運し
- 5センチ耕運し
- 10センチ耕運する
これを1日でやってしまっても大丈夫です。
□野菜が育つ畑を作るまで。(草がよく生える土)
よく耕すことが、対処方法です。
緑肥をまいたり、堆肥を入れたりしましたが、
緑肥も、堆肥も単体ではうまくいきません。
- よく耕す+緑肥を入れる
- よく耕す+堆肥を入れる
というように、「よく耕す」ことを基本に、緑肥や堆肥を入れるとどんどん畑が良くなっていきます。
これは有機JASのニンジンを作っていたときに習得した方法です。
□草がよく生える畑は、野菜の作りにくい(管理、測定のしにくい)畑です。
つまり、野菜の健康度や、生育状況を把握、測定がとてもやりにくいのです。
具体例ナスはプロ農家は1株で200本収穫します。
草を生えないようにするのはナスの葉の色の微妙な変化や、アザミウマやアブラムシの少しの発生を見極めるためです。
ココがダメ
草が生えていると、草に隠れてしまったり、草の色で葉が黄色がかっている「初期症状を見逃します。」
気がついたときには手遅れになる事を最初の3年くらい気が付きませんでした。
◇野菜を作って失敗する原因(草がよく生える畑の場合)
- 草の対処が間に合わないことによる生育不足
- 草が多いことによる害虫の発生
だからです。
◇「野菜が作れる土」を作るまで、よく耕す頻度(草がよく生える畑の場合)
草の芽が出てきたら耕す。
1番作りやすい畑になるのが早く、良い方法です。
春から夏場は2週間に1回耕したりもします。
□野菜を作れる畑の環境づくり(固い粘土質の畑を耕し続けれる環境づくり)
- 草が生えすぎないようにする。
- 水没しないようにする。
この2点を対策しておくことが大切です。
固い土を耕すと、とても野菜が作りやすくなります。
それでも、耕せなくなって作れなくなることはよくあります。
耕せなくなる原因は
- 草が生えすぎて、耕せない
- よく水没していて、耕せない
という理由で、耕すところまで行きません。
つまりは、草が生えすぎないようにする。
水没しないようにする。ということです。
■野菜の作れる土の作り方(固い粘土質の畑をふかふかに柔らかくする資材の入れ方)
□固い粘土質の畑に籾殻(もみがら)を混ぜる方法
もみがらをいれることで、物理的に粘土質をふかふかに出来ます。
◇もみがらを入れる量
もみがらの量の目安は、土が見えなくなるくらいです。
もみがらを入れて、よく耕します。
◇もみがらを入れるタイミング
作付け前に入れるなら、1ヶ月以上前がオススメです。
もみがらをいれるとき、もみがらマルチとして入れるのもいいです。
もみがらマルチとして入れる場合は、畝間や野菜を覆うように入れます。畝間なら耕運できますが、野菜を覆うようにしていれたら、次の作付けまでそのままです。
作付けする前に一緒に耕すことができます。
□野菜作りに有効です。固い粘土質の畑に腐葉土を混ぜる方法
腐葉土を畑に混ぜるのは、微生物による土の改良が目的です。
物理的に改善した感じが感じにくいので、わかりにくいと思います。
□野菜作りに有効です。固い粘土質の畑に堆肥(牛フン堆肥)を混ぜる方法
牛フン堆肥をいれることで、物理的に粘土質をふかふかに出来ます。ついでに肥料成分があります。
◇牛フン堆肥を選ぶポイント
発酵している牛フンを選ぶことがポイントです。
◇生の牛フンは入れません。
生の牛フンは分解していく過程で地中の窒素を使ってしまいます。
腐敗臭もすごく、野菜が出来ません。
◇畑に野積みもしません。
野積みは不便です。草が生えますし、とにかく扱いにくい。
使う分だけ毎回用意するのが一番便利で楽な方法です。
◇牛フン堆肥を入れる量
牛フン堆肥の量の目安は、土が見えなくなるくらいから、土から5センチ程度です。
牛フン堆肥を入れて、よく耕します。
◇牛フン堆肥を5センチ入れた時の肥料換算
根菜類であれば、元肥とします。
私は牛フン堆肥の他に元肥を入れません。
キャベツ、白菜、ブロッコリーであれば、基準通りの元肥を別で入れます。
◇牛フン堆肥を入れるタイミング
作付け前に入れるなら、1ヶ月以上前がオススメです。
私は根菜類の場合は半年前に入れます。
キャベツ、白菜、ブロッコリーの場合は1ヶ月以上前に入れます。
1回では馴染まないので、畝立て前までに3回は耕しています。
牛フン堆肥をいれるとき、もみがらのようにマルチとして入れることはしません。
ハエや虫を呼ぶのであまりよくありません。
□野菜が作れる土にする(固い粘土質の畑に土壌改良材を散布する方法)
土壌改良材をいれることで、微生物的に改善することができます。
土壌改良材はわかりにくいですが効果はあります。
◇土壌改良材を入れる量
土壌改良材の量の目安は、それぞれの基準で散布します。
◇土壌改良材を入れるタイミング
タイミングの目安はその土壌改良材によります。
いろいろな土壌改良材がありますが、
目に見えにくい土壌改良の世界は、
「これがよかったよ」という声をやっぱり大切にしています。
初めて野菜作りに触れる人はちょっと難しいかもですが、
この土づくりを使い、野菜が上手に家庭菜園でできるように解説したのが、「キャベツの作り方完全ガイド」です。
- 11月〜6月「春キャベツの栽培期間(種まきから、収穫までの期間)」
- 7月〜4月「秋冬キャベツの栽培期間(種まきから、収穫までの期間)」
上記の期間に、キャベツの作り方完全ガイドを見ておくだけで、成功率がグッと上がるように書いています。
- キャベツ栽培の全体の流れが見える
- もっと詳しくみたい時は、1つ1つの記事を細かく見ることができる
そんなキャベツ栽培ガイドに仕上がっています。
たった1ヶ月の期間で苗を植えるだけで、
家庭菜園での収穫が半年楽しめるゴールデンタイムの植え付け時期は8月です。
- コスパ最高「さいこうやさい の植え付けプラン」
- 苗を植える期間は1ヶ月だけ
- 収穫は半年間、たくさん野菜が食べられる
という内容になっています。
8月の植え付けをメインに、畑の作物のローテーションを考えてみると、とても有効に畑を使えます。
畑が長期の雨で水没してしまい、野菜がうまく作れない場合は、水抜きの方法や畝の作り方を変えると、野菜がうまく作れるようになります。
具体的に野菜を植えれるようにするまでの土づくりを、ステップ1〜4で解説している
固い粘土質の畑を効果的に野菜ができるようにする手順を見ることで、籾殻や堆肥を入れて植え付けするまでのタイミングも知ることができます。
そのような手順を使うことによって、キャベツや人参、白菜などを栽培するための土づくりをしています
堆肥を使うことで、野菜はよくなりました。入れる価値はあります。具体的にニンジンは糖度が13度になり、とても美味しく育つようになりました。
堆肥を使うことで、肥料が減る実例を公開しました。2021年の秋から肥料がさらに値上げしますが、堆肥を使うことでコスト増加分を削減可能です。