\キャベツ農家が本気出したぞ。本気とは、いちご農家からちゃんと指導を受けて栽培する/
農家が本気でいちご栽培をはじめます
家庭菜園をはじめたら誰もが一度は育ててみたいと思うのがいちご。
冬になるとスーパーでは鮮やかな赤色でコーナーを賑わせて心踊りますよね。
そんないちごですが、
家庭菜園で自分で育てるとなると
- うまく育てるのは難しいのでは?
- ちゃんと実はなるのか?
- 赤くなるのか?
と心配に思う人が多いと思います。
この記事では、ベランダ等のプランターでも
ポイントを押さえれば真っ赤に熟したイチゴを収穫できる方法をお伝えします!
秋植えいちごをプランターで育てるためにはどうすればいい?
まずはありきたりなのですが、基本だけ抑えていきます。 農家を初めて10年以上たちますが、基本は大事。知らないと、失敗します(にこり)
いちごの育て方 プランターの置き場所は?
プランターの置き場所に最適なのは、
- 午前中から日の当たる南側や東側のベランダ
- 1日で一番ながく日があたる場所
- いちごの場合はミニハウスが置ける場所
こんな感じですね。
いちごは、午前中に活発に光合成を行うため、プランターはできるだけ長時間日の当たる場所に置くとよいです。
たくさんの日に当たって越冬することで、甘い実が生るので、置き場所はしっかりと選定しましょう。これ、大事です。
また補足として、ランナー(後述で説明)の苗を挟んで反対側を日当たりの良い方向にすることで、葉が多くできる部分が多く日照します。
カンタンに言うと・・・
- 日当たりが大事
- 日当たりが大事
- 日当たりが大事
ということです。
いちごのプランター 植え付け時期は?
植え付け時期は10月を基本として、気温や湿度などの気候にもよって多少左右されますが、遅くとも11月までには植えつけるのが良いです。
いちごは、夏の暑さに弱く、冬の寒さに強い植物なので、10月に苗をプランターに植え付けることを念頭に置いておくと良いでしょう。
花芽は弱低温の短日条件の秋に分化し、冬になり気温がマイナスになると休眠して成長を停止します。
そして一定の低温期間を経ると休眠から覚め、再び成長しはじめます。
このことから、全体像として10月に植え付けて越冬し、暖かくなって再び成長し始めて暑くなる夏前の5~6月までに収穫するといった流れになります。
鉢植えいちごの育て方は?
1.プランター栽培向きの品種「とよのか・アロマ・宝交早生(ほうこうわせ)」を選ぶ
プランター栽培に向く品種は、「とよのか」「アロマ」「宝交早生(ほうこうわせ)」などです。
- 「とよのか」は、人気の絶えないイチゴの名品。果肉は密でしまり、円錐形のおいしい品種で、九州地方でよく作られています。
- 「アロマ」は果肉に張りがあり、光沢のある紅赤色で甘くおいしい品種です。草勢強く、作りやすい品種でもあります。
- 「宝交早生(ほうこうわせ)」は、作りやすく初心者向けで、果実は鮮紅色の円錐形、果肉はやわらかく甘酸のバランスがよいといわれています。うどんこ病に強いことから、かつては西日本の主力品種でした。寒冷地での栽培に向いており、家庭菜園での栽培に一番向いているといわれます。
2.プランターへの植えつけ方(株間・クラウン・ランナー・ナメクジ対策)
苗の株間は幅広のプランターを使用する場合、20~25cm程度開けて、クラウンを埋めないようになるべく浅く植え付けます。
「クラウン」とは、地際にある節間が短くなって肥大した茎のことをいいます。
クラウンは茎や葉と同じで、地上に出しておかなければならない重要な部分で、クラウンを埋めてしまうと苗が枯れることがあります。
また、ランナー(後述で説明)の向きを一定方向にします。
ランナーと逆向きに花芽が生りますが、実も花芽と同じ向きに実るので、ランナーの向き(花芽の向き)を揃えることがポイントです。
さらに、上述の性質を利用することで、ナメクジ被害を防ぐことができます。
ランナーの向きを縁と反対に向け、苗をプランターの縁に沿って植えることでイチゴの実がプランターの縁から外れた空中にぶら下がって実るため、ナメクジの被害を受けにくくすることができます。
3.肥料(追肥)を与えるのは3月までにする(プランターで外で栽培するとき)
追肥は、固形状(大粒・中粒)の醗酵油粕を3週間に1回与えましょう。追肥のあとはバーク堆肥を敷き詰め地表面が見えないようにしてください。
醗酵油粕を与えるのは3月までが良いでしょう。
4月以降は肥料を与えると栄養が過剰になって実がつきにくくなってしまうので、肥料を与えすぎないように注意してください。
まとめると・・・
- 3週間に1回肥料をあたえる
- 3月までずっと。(3月31日でもOK)
- 4月1日になったら止め肥料。
4.実をより甘くするために、「ランナー」を取り除いて栄養を集中させる
ランナーとは「走りづる」といい、開花後に伸びる細い茎のことをいいます。匍匐(ほふく)して伸びていき、
ランナーの先には新芽が出て根付かせると苗を増やすことができます。
いちごの実をより甘く収穫したい場合、ランナーを摘み取ったほうが、実に栄養が行き渡ります。
伸びてくるランナーは、摘み取ってしまいましょう。脇芽も取ってしまって大丈夫です。
ランナーを摘み取った際は、切り口に銅剤(銅中和剤)を塗布してください。
こうすることで、病気の発生を防ぐことができます。
無農薬にこだわりたい人は銅剤ではなくフーモン(殺菌剤・展着剤)等の薬剤があるのでご検討ください。
いちごのプランターには何株植える?
プランターの大きさによって何株植えるか変わります。いちごの株間は20~25cm程度開けたほうがよいので、自身が選んだプランターによって株数を調整しましょう。
いちご栽培のプランターの土はどうすればいい?
(流れは肥料成分ゼロまたは少ない土に液肥で育てる流れになります)
プランター栽培では根の活動が制限されているので、通気性・排水性がともによいことに加え、有機質を多く含んだものを選びます。
いちごの育て方、プランターでランナーが出たときはどうする?残すかor摘み取るか?!目的によって使い分けよう
どう育てたいかによってランナーを残すか摘み取るかを検討するのがよいです。
先述ではいちごの実をより甘くしたいという目的のためにランナーを摘み取る説明をしましたが、ランナーを切り取らないという選択肢もあります。
苗を増やしたい場合
プランターに余白があり、且つ苗を増やしたい場合、ランナーから新芽を根付かせて苗を増やすことが出来ます。
この場合の注意点として、親株に近い一次株(通称:子株・太郎苗ともいう)は親株の病気の影響を受け継いでいる可能性があるため、それを避けるために一次株からさらに増えた二次株(通称:孫株・二郎株)以降を育てるようにしましょう。
育てたい苗の根が良く張った状態になったことを確認し、ランナーの片側を2㎝ていど、他方を短くクラウンぎりぎりで切るようにします。
100均のいちごをプランターで育てるとたくさんとれる?
(僕は今回「章姫あきひめ」を使っていますので、100均の品種と章姫の違い、メリットなどを書いて、品種の重要性がわかるといいです。「基本品種が悪いと、たくさん収穫できません」)
100均で買えるいちご品種をプランターで育てるとたくさん収穫できるのでしょうか?
ダイソーの苗をつくってみるとこうなる
今回、例として挙げたのは大手100円均一ショップの「DAISO」。ネットショップでは、「KOIのミラクルストロベリーの種」なるものがありました。ミラクルストロベリーというのは商品名で、バラ科オランダイチゴ属の「エゾヘビイチゴ(別名ワイルドストロベリー・野イチゴともいう)」とのこと。商品説明では、「実はかわいく小粒で2-3cmの鮮紅色で、室内で管理すると冬でも収穫可能です。」との記載から、普段スーパーで目にするような4~5㎝程度の実のいちごに対して小ぶりの実がなります。
質問に対しての回答ですが、結論からいうと、この品種は一度に大量の収穫は見込めません。実の大きさも小ぶりのため、活用法としては収穫した実は都度、冷凍庫に保存しておき、一定量になったらジャムにするなどした方が良さそうです。ただ、大量に実がならない代わりに、ワイルドストロベリーは原種(品種改良以前の、もとの在来種。)であるため、グランドカバー(芝生のように、造園において地表を覆うために植栽すること)にするとほかを駆逐して増えてしまうほどの強健種なんだとか。なので、食用よりも、花壇・通路の雑草防止や観賞用の方が向いているかもしれません。さらに、ワイルドストロベリーには商品名のごとく「幸運を呼ぶジンクス」があるとのこと。気になった方は試しに育ててみるのもありなのでは?
章姫を作るとこうなる
一方で、一般的に出回っている「章姫」をプランターで育てると、上記育て方のポイントを守って育ててみたら、苗1つで70個もの実を収穫することができました!章姫は「久能早生」と「女峰」を交配した品種のいちごで、愛知県では主力の収穫量を誇る品種です。
このように、プランターでいちごを育てるといっても、いちごの品種を適当に選択してしまうと、思うような収穫量が見込めなかったりします。このセクションで説明した「章姫」に加え、冒頭部分で説明したプランター栽培向きの品種「とよのか・アロマ」や、初心者向きで育てやすい品種「宝交早生(ほうこうわせ)」などを選択肢のひとつとして捉えながら、品種の違いにも目を向けるのが良いと思います。
いかがでしたか?
この記事では、プランター栽培でカンタンにたくさんのいちごの実を収穫する農家の技をご紹介しました。
家庭菜園を始めた方にとって、一度は自分で育てた実を食べてみたいものですよね。
きれいな花も咲き、プランターでも育てることができるいちごは、家庭菜園にもおすすめです。
耐寒性もあり、実は初心者にとっても育てやすい植物なので、是非一度いちごを育てて収穫してみませんか?
美味しくて、たくさん取れるいちご栽培をする
「プロ農家が実践」100個のいちごを家庭菜園で作る時に「ビニールハウスを使う理由」