自宅でいちご狩りがしたい(それも12月から5月までずっと食べたい・・・!)
農家の僕が「いちご狩り農家(それも日本有数の方)に教わって、コツを学び作った結果、8株で100個以上食べ放題でした・・・!」
- いちごが育つ温度を保てるので11月から5月までたくさん食べられる
- 大きめのハウスなら冬でも暖かい癒しスポットになる
- 水と液肥を「自動化」できるから実質ヒマしていちご食べ放題
- ハウスがあるといちごの期間以外にもたくさんの野菜・果物を育てることができるようになる
こんな4つのありあまるメリットがあるので、ビニールハウスを使っています。
この記事を書いている人


- 農業経験0から14年以上やっている農家(愛知県の知多半島)
- 耕作する畑の土は9割が硬い粘土の土地で、雑草地からのスタート(農業初心者から、野菜を解説する側になりました)
- 年間100トンほど野菜を生産、出荷しています。
- このサイトの内容を実践し、反収50万を超える畑も出ています
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1坪のビニールハウスを作った結果、冬のいちごが100個以上食べれました
僕はたった1坪のビニールハウスでいちごを作っていますが、
毎朝朝食を持ち込み、ゆっくりホットアーモンドミルクを飲みながらいちご栽培を楽しんでいます。
小さいハウスではプランターしか置けませんが、自分が入れる程度のサイズであれば、
冬でも暖かい癒しスポットが作れます。
一番いいのは、やっぱり
11月から5月までたくさんいちごが食べられたというのがとても楽しかった。
ビニールハウスだといちごが育つ温度なので11月から5月までたくさん食べられる!
ビニールハウスなしでは、長期間たくさん食べられない。
ということが大きいです。これが最も大きな理由です。
はじめの説明の通り、ビニールハウスを使わない場合は大体5月頃の1か月のみ収穫できるのに対し、ビニールハウスを使用することで11月から5月頃までの7か月ずっと収穫できるようになります。
単純に計算しても7倍。子どもと一緒に美味しいいちごを長きにわたって堪能し続けることができます。
大きめのハウスなら冬でも暖かい癒しスポットになる
文頭でも説明した通り、冬でも暖かい癒しスポットが作れます。子どもと一緒にいちごの成長と収穫を楽しんでいます。
そして農家の僕としては、ビニールハウスを使用するにあたって室内でタイマーなどを駆使することで
水と液肥を「自動化」できるところ
たくさんいちごが実るには、液肥と水の回数と量のコントロール。
これが本当に大きいです。家庭菜園をはじめて気になるのは、「仕事に行ってる時は水やりができない」というところだと思います。そこを自動化できるんです。
そこまでするの?そこまでしなきゃダメ?という質問がありますよね・・・
「たしかにそこまでしなくても、いちご2,3個はそれなりに果実ができて食べられます。でも、『水と液肥の自動化』まですると、いちご狩り農園で食べるような、めっちゃおいしいいちごが毎月食べられる!」
というところなんです。
いちご以外にもたくさんの野菜・果物を育てることができるようになる
ビニールハウスで温度管理することで、寒い時期でもいちごのような生育適温の野菜・果物も同様に育てることができ、家庭菜園で作ることができる品目に幅が広がります。
以上が、僕がビニールハウスを使う理由です。これだけでも十分に取り入れる価値はありますよね?
いちごはプランターだけでも育てることができますが、
実は「ビニールハウスを使用するか使用しないか」で、収穫時期や果実の出来上がり、さらには収穫量に大きな違いが生まれました。
ただ、いちごハウス栽培をするにあたっての
- 時期
- デメリット
- 費用
- 方法
- 温度
が気になるところだと思います。
今回は、家庭菜園でいちごを育てるにあたって「ビニールハウス」を使う理由を、以下の目次に沿って解説します!
ーいちごハウス栽培の時期
いちごをハウス栽培で育てることで、11月頃から5月頃まで収穫することができます。
これは、ビニールハウスによって温度を管理できるからです。いちごの生育適温は10~25℃と言われており、一般的にビニールハウスを使わない場合は大体5月頃の1か月のみ収穫できます。一方、ビニールハウスを使用することで生育適温を保てば、11月から5月頃までの7か月間ずっと収穫できるようになります。
クリスマスに食べるケーキに真っ赤で美味しそうな立派ないちごがあるのは、実はビニールハウスで温度管理しながら栽培されているからだったんですね。
ーいちごビニールハウス栽培のデメリット
・初期費用がかかる
ハウス栽培をはじめるために、ビニールハウスを購入する初期費用がかかります。
費用の大小は、自分で部品・資材から組み立てるか、既製品を購入するかであったり、またはどのくらいの大きさのビニールハウスを設置するかよって異なります。家庭菜園用の小さなビニールハウスはホームセンターのほか、インターネット等でも販売されています。
・小さなハウスだからこそ起こるトラブル
農家さんが使用しているような大きなビニールハウスに比べ、家庭菜園用の小さなビニールハウスは小さいがゆえに、室内の温度や湿度が上がりすぎることがあります。
これにより、いちごの生育適温から外れてしまい、いちごが育たなくなります。また、暖かくなるがゆえに、暖かい場所を好む害虫などがつく場合もあります。
・デメリットを考慮しながらビニールハウスのメリットを最大限に引き出す知恵はこれ!
- ビニールハウスのメリットを最大限に引き出すために、「設置時期」や「大きさ」「換気措置」をしっかりと理解しておく必要があります。
- 設置時期は11月中下旬~3月末4月上旬にするのが良いと言えます。
- いちごの生育適温を理解した上で、収穫できる時期を伸ばすためにも、11月頃からビニールハウスを設置するようにしましょう。
- また大きさについては、いちごプランターに対してビニールハウスの高さを十分に余裕を持たせることで、急な昇温を抑えることができます。
- 換気についても、必要に応じてハウスを開くことで、中の空気を外に逃がすことで適温を保つようにします。
ーいちご栽培でビニールハウスを使用する理由
ビニールハウスを使う理由は以下の通りです
- いちごが育つ温度なので11月から5月までたくさん食べられる
- 大きめのハウスなら冬でも暖かい癒しスポットになる
- 水と液肥を「自動化」できる
- いちご以外にもたくさんの野菜・果物を育てることができるようになる
それぞれ解説するので、ビニールハウスで育てる意味合いについて知っていきましょう。
・いちごハウス栽培の費用は6000円程度から
大きさや規模によって異なるので一概にはいえませんが、下記URLのようにプランターが縦に3段はいるタイプの小型のビニールハウスで6,000円程度(2023年2月現在)で販売しています。
これひとつあれば、温度調整ができるほか、小動物からいちごを物理的に守ったり、雨風にさらされる心配もないので、天気によって傷むことを避けられます。
初期費用はかかるものの、約半年も美味しくて立派ないちごが収穫できるのであれば、「必要な費用」です。
ココがダメ
これ以上小さいサイズは温度の変化が激しく、おいしいいちごができなさそうです
ーいちごをハウスで栽培する方法
- いちごを植える土台作りの方法は?
- いちごの花芽が出てきたらどうしたらいいの?
- 水はどれくらいあげたらいいの?
いちご栽培には知っておくべきコツがたくさんあるんです。
ここからはビニールハウスでのいちごの栽培方法についてしっかりご説明するので、
特に上記3点を意識しながら、コツを掴んでみてください。
(解説をまとめた動画も一緒にご覧ください。)
- ①設置について
- ②土について
- ③水やりについて
- ④いちごの病気を防ぐコツ
- ⑤自分の手で受粉
- ⑥いちごの成長について
- ⑦害虫駆除
①プランターとビニールハウスの設置について
- プランターの土台作りのコツ
- ビニールハウス設置のコツ
ここでは、ビニールハウスの設置についてだけでなく、いちごを植える際の土台作りについて説明します。
まずは苗を植える土台作りについてです。
いちごを植える際はプランターを用意して、
使わなくなったセルトレイを縦に半分に切ります。
それをプランターの底にぐるっと丸めて敷きます。
その上に、空の肥料袋を敷きます。
最後に肥料分のない培養土を肥料袋の上に乗せます。
気を付けるべき点は2つ
1つめは、土をプランターに入れる際に、
培養土は出来るだけプランターの縁スレスレまで入れること
2つめは苗の中心部(クラウン)の部分に土が入らないように植えることです。
これで、いちごを植えるためのプランターが完成です。
次にビニールハウスを設置する方法について説明します。
まず、プランターをビニールで覆います。
先ほども紹介したような家庭菜園用のビニールハウスを用意すると安心です。
ビニールハウスを購入するか迷っているという方は透明のゴミ袋でも代用可能です。
その場合は中に空間ができるよう、ワイヤーでアーチを作って飛んで行かないようにしっかり固定してください。
また、直径10mm程度の穴をいくつかあけ、通気ができるようにしましょう。
②いちごがたくさん収穫できる土について
液肥を使っていちごを育てる際に肥料分のない培養土が適切!
その理由は?
液肥を使っていちごを育てる場合は、土に肥料分がない培養土を使用することをおすすめしています。
その理由は、以下の3つです。
- 液肥のみで必要な栄養素を供給できるため
- 液肥で栽培するのに、土に肥料分が多いと、過剰摂取してしまうため
- 過剰摂取すると、微生物の生育を促進してしまうため
今回は液肥を与えることを前提に説明しています。
では、理由について順番に説明していきます。
まず、液肥は植物に必要な栄養素をすぐに供給できるため、土壌中の肥料分が多いと、植物が必要な栄養素を過剰に吸収してしまいます。
- 過剰な養分は甘みが落ちます。
- 葉が茂りすぎるので花がつかず、収量の低下にもつながります。
結局は栄養成長(葉が茂る)だけで、生殖成長(実り)がないわけです。
液肥を使用することで、このようなリスクを回避することができます。
ですので、プランターに土を詰める際は、肥料分の少ない培養土を使用しましょう。
③いちごの空洞果をなくし、ジューシーにする水やりについて
- 適切な水の量は?
- 液肥との割合は?
次は、欠かせない水やりについての説明です。
ココがポイント
水は一株に対して50ccを1日5回あげるのが良いです。
その5回の内訳として、液肥1000倍を4回、
液肥なしの水を1回
いちごにかける水が冷たくて、根が冷えてしまうと、
翌日には病気になってしまうことがあります。
それを防ぐには水をやりすぎないことがポイントです。
さらに、小さなビニールハウスでは湿度が上がり過ぎてしまい、それによって水滴がビニールハウスに付着し日光を遮ってしまう恐れもありますので、様子を見ながら午前中に水やりをすることをおすすめします。
また、病気予防のために、週1で銅剤をあげるようにしましょう。
無農薬にこだわりたい人は、それ用の対処法もあります。
④いちごの病気を防ぐコツ。たくさん収穫するためのポイントは「病気のない株」
- 葉っぱに病気が出た場合は?
- 枯れた葉っぱが出てきたら?
- いちごを全て枯らしてしまわないようにするには?
いちご栽培で注意しなければいけないのが、いちごの病気です。
病気になったいちごをそのままにしていると、
どんどん悪化し、実らない原因となります。
よく様子を観察し、適切な対処をしましょう。
まず、葉っぱに病気が出た場合は、
症状が出た部分を切ってすぐに銅剤をあげます。
それで感染を防ぐことができます。
また、いちごを育てていると新しい葉っぱが生まれることで、古い葉っぱが黄色く変色してくるようになります。
このように枯れた葉っぱが出てきた場合は、
よく観察しながら取り除くようにしましょう。
そのままにしておくと、病気や害虫を寄せ付ける要因になります。
ただし葉っぱを無くしすぎてしまうと
光合成できずに、いちごの苗が枯れてしまう原因となってしまうので、葉っぱはできるだけ残すようにします。
葉っぱを多く残すことで、
光合成が行われ、苗全体が枯れてしまうことを防ぐことができます
⑤自分の手で受粉。たくさん食べるための基本。
ハウスを使用せずに春にいちごを育てる場合は、ミツバチが受粉を手伝ってくれたり、
風に流され受粉することが出来ますが、
ビニールハウスを使用していると自分の手で受粉させる必要があります。
花が咲いたら人工受粉をさせてあげましょう。
⑥いちごの成長に合わせた手入れ「実り以外に無駄なエネルギーを割かない」
- 花芽について
- ランナーについて
普通は3枚が出る葉っぱですが、
止め葉と言って、1枚だけ出てくる葉っぱがあります。
これが出ると花が咲く目安なので、
止め葉が出ると、『そろそろいちごの実るんだな。』と思って大丈夫です。
いちごの花芽が出てきたら、その日だけいつもの倍の濃度で液肥をやるのがポイントです。
そうすることで花に元気がでてたくさんの実をつけてくれます。
次に、ランナーについて説明します。
せっかく花が出てきたけど、
ランナーが長すぎて山ほど生えている場合は
ランナーに栄養を取られるのがもったいないので、適度にランナーを抜くことが必要です。
植えてから出たランナーの対処法として、
ランナーを切ったらすぐに銅剤を作って散布します。
そうすることで切り口からの病気を防ぐことができます。
人間と同じくいちごも成長速度がそれぞれ違います。
同じ品種でも一株で鉢を覆ってしまうものもあれば、成長の遅いものもあるものです。
目安として、週に1回新葉が出てくれば順調の証です。
⑦いちごのハウスの害虫駆除はダニとアブラムシだけ。
暖かいビニールハウス内では本来冬に活動しない虫が活動するようになりますので、
葉っぱの裏などを確認しながらいちごの安全を守っていきましょう。
・いちごハウス栽培の温度の理想と現実(ハウスでありがちな高温の対処法)
いちごの生育適温はおおむね10~25℃とされているため、ビニールハウスを使うことでこの範囲で温度管理でき、11月から5月まで7か月もの間、いちごを収穫できるようになります。
いちごは5℃以下になると休眠し、30℃以上となると成長が止まる性質があるため、温度に注意しながら管理するようにしましょう。
しかし、ハウスはすぐに40度になったりします。
40度の高温に注意
40度になっても平気ですが、風通しだけよくします。(日中の最高気温が40度でも風が通っていれば枯れません。高温になる場合はできるだけ上部の空間をあけて、2段目以降にプランターを置きます)
40度で締め切りは、枯れてしまいます。
また、小さなビニールハウスだとハウス内の温度が上がり過ぎることがあります。必要以上に太陽が当たるとすぐに30度ほどになることもあるため、必要に応じてビニールハウスを開けて換気するようにしましょう。
一般的にいちごの花が咲いてから、収穫までは積算温度が500℃・日とされており、1日のビニールハウス内の平均気温を15℃で管理すると500(℃・日)/15℃=33日という計算になり、いちごの花が咲いてから収穫まで約1か月程度となります。
※積算温度:毎日の平均気温を合計したもので、野菜・果物が成熟するまでの温度。
美味しくて、たくさん取れるいちご栽培をする
「プロ農家が実践」100個のいちごを家庭菜園で作る時に「ビニールハウスを使う理由」