ニンジンを糖度計で測定した結果
糖度は2021年の4月で、最高で14度、
低くても10度以上を記録しました。
(甘いニンジンでも、糖度計で8~9度と言われています)
糖度13度はスイカと同じ糖度です。
甘くて美味しいニンジンを栽培すると、ニンジンジュースが最高の美味しさになるんですよ。
この記事を書いている人
・農大レベルでしっかり育てられる現役農家の解説動画
・栽培の流れが月単位でわかります。
・コメントで質問ができるので、今より上手になる(youtube)
- 農業経験0から14年以上やっている農家(愛知県の知多半島)
- 耕作する畑の土は9割が硬い粘土の土地で、雑草地からのスタート(農業初心者から、野菜を解説する側になりました)
- 年間100トンほど野菜を生産、出荷しています。
- このサイトの内容を実践し、反収50万を超える畑も出ています
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今回ご紹介する栽培方法は
現役の人参農家が作る、出来るだけ手間のかからない、簡単でシンプルな方法です。
子どもと一緒に、畑でこんな体験ができると、すごく嬉しいですよね。
私の畑では、たくさんの子どもたちが
人参を収穫しに来て、
1本掘っては食べ、
もう1本掘って食べて、2時間過ごしています。
- 遠方のかたや、
- 畑が粘土質の方
- 子どもたちにこんな体験をさせてみたい方
にはとても役立つ記事です。
いろいろと甘い人参を作る要素を書いていますが、まずはこの人参の種をまいてください。
2023年の最近では、アロマレッドという品種が甘い人参としてオススメです。
甘い人参の特徴の1つとして、芯の色が濃いことが挙げられます。
- ジュースにして、色が濃い
- 生でサラダでも、色が濃い
- 煮ても、色が濃い
種のまきかたの詳しい方法は、目次を参考に記事を読むとわかりやすく解説しています。
こんな方におすすめ
- 簡単に人参を作りたい
- 質の良い人参が作れる方法が知りたい
- 甘い人参を食べたい
- 甘い人参の品種を知りたい
- 甘い人参を作る土作りを知りたい
- 甘い人参を作るための道具はあるの?
これを読めば、
- 人参の育て方
- 種まきのタイミング
- 人参を甘くするための土作り
- 人参の種の選び方
がわかります。
読みながら人参を作ってみることで、甘くてまっすぐな人参を作れるようになれます。
また、失敗しやすいポイントもありますので、あらかじめ気をつけながら失敗しにくい人参作りが出来ます。
人参の生育条件で大切なのは、3つあります。
人参の生育に大切な3つのポイント
- 水はけがいい土で栽培すること
- 種をまいてから3日間、その後7日間の「発芽までの10日間」を大切にすること
- 9月から10月の2ヶ月間の「葉の生育」を大切にすること
この三つを大切にすると、とても甘く、健康な人参を育てることができます。
糖度計での測定では
糖度は最高で13度、
低くても10度以上を記録しました。
(甘いニンジンでも、糖度計で8~9度と言われています)
■人参の栽培時期と成長の流れ
人参の栽培時期と生育の流れを、ステップで解説します。
全体的な流れを、写真で見ることができるので
畑がどんな景色になっていくのかイメージを見ながら流れがわかります。
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18月から種まきが始まります。畝を立てて、すぐに種を撒きます。
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29月には発芽し、1ヶ月で本葉が5枚ほどになります。間引きをするのはこの時期です。
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310月は本葉が10枚くらいまで増え、葉もしっかりと大きくなります。
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411月には葉がしっかりと養分を根に送り、人参が太り始めます。早ければ収穫もできます。
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512月には本格的に、人参が完成です。12月の中旬ごろから寒さで甘いニンジンになっていきます。
1月から2月にかけてほとんど人参は大きくなりません。
また、早生(わせ:早く収穫できる人参のこと)は1月が美味しさの限界です。
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62月が一番寒く、人参が一番甘くなる季節です。私の畑では、ここで糖度は13度くらいまで上がります。
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73月、晩生(ばんせい:トウ立ちしにくい人参のこと)が美味しい状態で食べられます。
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84月、晩生(ばんせい)の人参がトウ立ちし始めます。
トウ立ちの人参はどこまで食べれるのか、という記事もあります。
-
参考人参が花が咲いたけど、食べられる?
続きを見る
ここまでで、収穫の流れがなんとなくわかったかな。と思います。
ここから、具体的な工程別に、人参の作業工程を紹介していきます。
下記の記事を順番に読んでいくことで、
種まき、間引きなどを「具体的にどうすればいいか」わかってきます。
■ニンジンの育て方・栽培方法
□甘い人参を育てる人参の生育条件は3つ
人参の生育条件で大切なのは、3つあります。
- 水はけがいい土で栽培すること
- 種をまいてから3日間、その後7日間の「発芽までの10日間」を大切にすること
- 9月から10月の2ヶ月間の「葉の生育」を大切にすること
この三つを大切にすると、とても甘く、健康な人参を育てることができます。
水はけの悪いところでは、畝を25cmから30cmまで高くします。
□人参の栽培管理の流れ
ここでは、人参の栽培管理の流れをざっと見てみましょう。
何月に何をやると人参ができるまで管理できるか、わかります。
- 4月 堆肥をいれる
- 5月 草を生やす
- 6月 草をすき込む(堆肥と、草をすき込んで土づくり完了)
- 7月草が少し生えたらすぐ耕運
- 8月 8/17から8/30までに種をまく
- 9月種をまいて、水やり
- 10月 草を出来るだけとる
- 11月 充分葉が育ったら、根が太るのを見守る
- 12月 甘い人参の収穫
甘い人参の栽培暦(こよみ)
では、全体の流れがわかったところで、
甘い人参を真っ直ぐ作るためのこよみを作業別に書いていきます。
■4月【肥料はあまりいらない】人参を成功させるポイントは土づくりにあり。
甘い人参をつくるための畑の準備
甘い人参を作るための土作りは、ポイントが2つあります。
甘い人参を作るための2つの土づくり
- 4月に堆肥を入れる
- 8月に草をない状態にする
この2つが人参の土作りのポイントです。
ココがポイント
堆肥は肥料じゃないの?
と思うかもしれませんが、
堆肥は土の微生物を増やす「エサ」として入れます。
詳しくは、次の項目で解説していきます。
□人参に堆肥を入れる目的と方法
堆肥を入れる目的は、土の中の微生物を増やすためです。
土の微生物を増やすことで、土の団粒化(だんりゅうか:野菜の根が育ちやすくする土の構造)にしていきます。
3年くらい続けていくと、突然「めっちゃいい土になった!」と実感し始めます。
堆肥は牛糞堆肥が一番オススメです。
窒素成分が少なく、とてもいい土作りになります。
堆肥は表面3センチから5センチくらい敷き詰めるくらいの量をまいていきます。
牛糞堆肥の使い方についてはこちらもCHECK
-
土を肥やす植物「雑草」を、畑作に利用する
続きを見る
ココに注意
30日前には堆肥と土を混ぜてください
3回は混ぜないと人参がまっすぐになりません。
間に合わない場合は入れません。
8月の30日前では梅雨時期なので、作業しやすい時期を狙うと、収穫終わりの4月なので私は4月に堆肥を入れます。
□8月に草をない状態にする理由と方法
8月に畑を草のない状態にする理由は、
人参をまっすぐに育てるためです。
ココがダメ
8月に人参の種をまいた時、土の中に未分解の草が混ざっていると、その時点で二股の人参になってしまいます。
8/1時点で畑に草が20センチ以上の草丈で生えていると、分解が間に合わず二股の人参が増えますので注意してください。
◇人参の畑に草をなくす方法
こまめに耕運するのが良い方法です。
年々草は減っていきます。
他にはこのような方法もあります。
-
参考2023版】農家と同じ雑草のない畑の作り方
続きを見る
■【動画】人参のタネまき・発芽まで
人参の種まきは4つのポイントを上手に行うことで、
人参を綺麗に揃って発芽させることができます。
人参の種をまく工程
- 種をまく品種を選ぶ
- 畝を立てる
- 種をまく
- 上手に発芽させる
□種をまく品種(甘い人参)
2020年の最近では、オランジェという品種が甘い人参として有名になってきました。
最初は一部の生産農家限定でしたが、
一般流通もはじまりましたので、手に入ります。
芯までオレンジ色が濃くて、甘みもあります。
□人参の畝たて
甘い人参を作るためには、水はけをよくすることが大切です。
砂地では畝の高さは15センチ
粘土質の畑では25センチから30センチで畝をたてます。
畝の幅は80センチです。
私が作っている畝のサイズ
私は粘土質の畑ですので、高さ30cm、畝の幅は80cmで畝立てをしています。
□人参の種まきの条間
人参は発芽が難しく、発芽すれば半分成功と農家の間で言われています。
このパートには、人参が発芽するために
大切なポイントが書いてあります。
人参の株間と条間
人参の株間は6センチ、条間は20センチでたねをまきます。
種の深さは1センチ
筋をつけてたねをまき、土を被せます。
被せた土を思い切り押して平らにします。
種まき機を使うと、株間、筋つけ、土を被せる、土を思い切り押すという4つの工程を転がすだけでできるので、
私は種まき機を使っています。
ポイント
ココがポイント
人参の種は発芽が難しく、鎮圧(ちんあつ:体重をしっかりかけて、土と種を密着させること)が発芽のポイントです。
密着させることで、種のある深さに土の水分が集まりやすくなる性質があります。
人参の間引き・追肥などの栽培管理
間引きをする方が成長が早い、発芽が良いという効果があります。
間引きするほど人参のタネをまく理由
- 人参の葉が混み合っているほど上に伸びていく性質をもっているから
- たくさん種をまけば発芽する数も増える
そして、間引き菜が食べられます。
かき揚げやおひたしが美味しい!
ぜひ一部でも、間引き菜を食べてみてください。
間引きをしない方法もあります。
ちなみに、私は間引きをしません。
最初から8センチ間隔でたねをまき、発芽させるので間引きなしで大きな人参が育ちます。
□人参の追肥
人参は、追肥をするとしないとでは出来る根の太さが変わります。
追肥をした場合、どのようにサイズが変わってくるのかをみていきましょう
ニンジンに追肥をした場合のサイズの違い
- 追肥しない: 人参の根のサイズ100gから150g(sサイズからMサイズ、sサイズ寄り)
- 追肥する : 人参の根のサイズ200gから300g(Lサイズから3Lサイズ)
と、全然違いますよね。
これは、人参の葉をしっかりと育てることで、光合成の量を増やして、人参の根に栄養を与えるからここまで差が出ます。
■人参の病虫害
人参は農薬を使うほどの病害虫はあまり出ません。
とはいえ、雑草にとても苦労します。
■人参の雑草の期間と対策
人参を作る上で、雑草に負けなくなるまでの期間は割と大変です。
□人参の雑草の期間
「雑草に苦労する期間」ココに注意
人参の種まきをしてから、10月後半まで雑草に苦労します。
草に負けないようにするには、
人参の生育にあわせて草取りをする必要があります。
□「苦労を半分に」人参の雑草の対策
人参の雑草対策は、
- 透明マルチでの太陽熱消毒(農薬は使用しない)
- と、除草器具を使った省力化で雑草とりをほとんど腰を痛めずにすることができます。
この2つを使う理由は、人参づくりに苦労した人ならわかると思います。
こんなことが悩みになったのではないでしょうか?
人参の雑草対策での悩みポイント
こんなことが問題になってきます
- 草を抜くと、人参まで抜けてしまう
- 抜いても抜いても草が生えてきてしまう
人参は初期の生育期間が長く、土を人参の葉がしげって草が生えなくなるまで2ヶ月もかかります。
その間、草は生え続け、しかも人参よりも早く大きくなります。
そこを解決するために、2種類の方法を組み合わせて解決します。
□人参の雑草対策2種類で、雑草に負けずに人参を作る
人参の雑草対策2種類
無農薬で人参を作りたい方におすすめ
- 透明マルチを使い、人参の発芽から初期生育の雑草を防ぐ
- 除草器具を使い、生育中期を乗り切る
◇透明マルチの除草効果とは
透明マルチの太陽熱を使うことで人参の発芽のときの草の種を減らせます。
透明マルチを貼ることで、土の中を温め、高温にすることで種を減らす仕組みです。
◇透明マルチをかける期間
- 透明マルチをかける前は土を練らない程度で水分たっぷりに。
- 透明マルチをかける期間は最低1カ月です。
- 透明マルチをはがしたあと、1週間待つ
この3つをクリアしたあと、種を蒔くことで人参が生えて、草が生えない状態の畑になります。
□【動画】人参の生育中期の除草器具
人参の除草器具を使えば
こんな方におすすめ
- 草取りの腰の負担がほとんどなくなる
- 1本単位で草取りを、1列単位まで短縮できる
- ついでに中耕(ちゅうこう:途中で土を動かして酸素を供給して、生育促進すること)できて、人参にも良い効果
ということがわかります。
透明マルチで雑草の7割くらいは減らせた感じですが、次第に残り3割が生えてきます。
その時に、1つずつ手で取るなんてとても大変。
「もう嫌だー!」と畑で叫びたくなります。
5000円程度の除草器具を使います。
けずっ太郎です。
サイズが2種類あり、人参には幅の狭い刃がオススメです。
幅が広いと、人参の条間20センチに刃が
入りません。
余裕がある方は、他の野菜にも使えるので幅が広い刃もあると、より早く草取りできます。
各種除草の器具を試しましたが、けずっ太郎が最後まで使っている除草器具です。
■【見極め】人参の収穫はどう見極める?
人参の収穫の見極めとは「人参の旬」を知ることです。
甘くて美味しい人参を収穫するには、3つの目安を知りましょう。
- 人参の収穫時期
- 人参の収穫の目安
- 甘い人参の条件
□人参の収穫時期は12月に入ってからです。
8月28日に種をまいた人参の収穫時期は、12月に入ってからになります。
土から抜くと、人参の爽やかな香りと、甘い香りがします。
9月以降に種をまいた人参は、1月以降の収穫が「旬」です。
□人参の収穫の目安
甘い人参の収穫の目安は、3つを目安にしています。
- 甘い香り
- 人参のお尻が丸くなっている
- 霜にあたって糖度が増している
という3つの条件を満たすように意識しています。
土から人参を抜くと甘い香りがします。
そして、人参のお尻が丸くなっている。
人参が育って成熟した証です。
これは抜いてみないとわからないので、生育を揃える必要があります。
あとは寒さにあたっていること。
霜にあたっているかどうかで甘さがまったく変わります。
■「補足」人参の種まきを慎重に行う
人参の種まきは、深さを慎重にあわせます。
雨がおおいと予想されるときは深さ5ミリ、
雨が少ないと予想されるときは深さ1センチ
でたねをまきます。
深すぎは発芽しないので、1センチまでにします。
□人参の種まきの間隔
人参の種まきの間隔で、作りたい人参のサイズを調整することができます。
種まきの間隔とサイズ
人参の種まきの間隔とサイズ
- M サイズ で作りたい場合 : 5センチ
- L サイズで作りたい場合 : 6センチ
- 2L サイズで作りたい場合 : 8センチ
■人参の間引きを行う
人参の間引きをするメリットは
- 少ない面積で発芽を成功させる
- 後から間隔を調整するので、サイズを揃えやすい
というメリットがあります。
デメリットは手間がかかることくらい。
【葉の長さ】人参の栽培は難しい。発芽以外でここを押さえる
✅ニンジンがうまくできない人へ 10月末の今、最終チェック。
【出来る、出来ないの分岐点】
ニンジンの葉?の長さが40センチ以上なら出来る!
60センチあればかなり良いニンジンが出来る!
■40センチ以上ない、もっと小さい方へ ⬇️
✅今だから対策できる方法2点
✅ニンジンに追肥をしよう まだ日中は暑い日があるので、成長します。 追肥をすると、まだ葉が伸びます
✅液肥をやろう 液肥を葉に滴るほどかけると、葉が伸びます。
✅なぜ今、葉を伸ばす?
葉を伸ばすと、光合成する量が増えるので、ニンジンの根の成長にとても大切
✅目安は葉の長さ60センチ!
11月になると寒さで葉が伸びなくなります。今の葉の長さで、ニンジンの出来が決まる。 今はギリギリで間に合うから、葉を伸ばそう。
✅もし葉が伸びなかったら?
追肥、液肥をやることで、まだ間に合うのですが、もし葉が伸びなくてもやらないより色が濃くて美味しいニンジンに仕上がります
✅不安な人は、一部だけ実験がベター 1/3だけ実験してみると、効果や変化がわかります
人参の発芽はうまくいったのに、なぜか人参ができない。
そんな人は、人参の種まきの時期が9月20日より遅く種まきしていませんか?
寒くなると、人参の葉が大きくならないため、例え発芽に成功しても、
人参が太らず、栽培終了です。
逆算すると、8月の15日から9月の20日に種まきをしないと出来ない。
8月15日から8月28日までは暑いので、発芽がとても難しい。
暑い発芽の難しい時期に種まきしなければいけないから人参栽培は難しいと言われているんですね。
■甘い人参の品種、名前
甘い人参の品種
オランジェを作ってみていいなと思ったポイント
オランジェを作ってみていいなと思ったポイント
- 他の品種に比べて、甘みは強い方だと思った。糖度は10度くらいまででた。
- 芯がオレンジ色なので、見た目が鮮やか
- 作りやすい
- 臭みが少ないので、子どもも食べやすい
といった感じで、
手軽で甘い人参は
2023年の最近では、アロマレッドという品種が甘い人参としてオススメです。