ココがポイント
堆肥は、土の中の微生物「善玉菌」をわんさか増やすために、使います。そのために入れる善玉菌の代表者の1つが「乳酸菌」です。
この記事を書いている人
・農大レベルでしっかり育てられる現役農家の解説動画
・栽培の流れが月単位でわかります。
・コメントで質問ができるので、今より上手になる(youtube)
- 農業経験0から14年以上やっている農家(愛知県の知多半島)
- 耕作する畑の土は9割が硬い粘土の土地で、雑草地からのスタート(農業初心者から、野菜を解説する側になりました)
- 年間100トンほど野菜を生産、出荷しています。
- このサイトの内容を実践し、反収50万を超える畑も出ています
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堆肥の使い方をいろんな人に聞くと・・・
- 肥料になる
- 肥料にならない
- 肥料とは別
- 肥料と組み合わせる
- 堆肥を入れるとよくない
と、人によって様々な言われようをして、
知らない方にとっては「一体に何を信じていいの?」と
悩んでしまいます。
堆肥は結果が分かりにくいので、農家がどのように使って結果を出しているか、知ることができるのがこの記事です。
ココがポイント
愛知県の現役農家7人とこの記事を共有しました。
- 「現代農業」で紹介された、えひめAIを今も使う農家
- スイカの炭素病に悩む農家
- 有機JAS認証を受けた野菜生産農家
- 糖度14度のニンジン生産農家(このサイトの運営者)
など
土壌の悪玉菌の密度をいかに下げて、病気を減らすか、という内容の一例としてこの記事が使われました。
堆肥を使う目的は「土の乳酸発酵」で、その結果は糖度が上がるなど。
堆肥を使う目的は「土を乳酸発酵」させて、とにかく善玉菌を増やす。
ということを目的にしています。
その結果、一例で言えば、ニンジンの糖度が上がっています。
糖度を上げる目的で堆肥を使うわけではなく、
ニンジンの糖度が上がったのは副産物だと思っています。
順に、解説していきます。
【堆肥を使って】土が乳酸発酵したら、野菜がどうなる?
- 土が乳酸発酵することによって、善玉菌の活動が活発化します。
- 善玉菌が悪玉菌よりも比率が増えることにより、悪玉菌の活動が非活性化します。
- 悪玉菌(病原菌等)の活動を抑えることができるので、野菜が健康に育つ土台を準備できます。
こういった、野菜が健全に、病気なく育つための土壌を作ることができます。
【体感】堆肥を使って良い土を作ると、病気の発生を抑制、発生しても、被害を抑えやすい
堆肥を使えば全く病気が出ないかと言われれば、実際のところ、「0とは言えないが、良い効果がある」と体感しています。
例えば、キャベツの菌核病。
- 基本的に、菌核病は土に菌が残り、繁殖してしまう病気なので、とても被害が深刻
- 土中に菌がいるので、菌核病の発生時期になると、どうしても発病してしまう。
- 発病する時期に予防的に農薬を散布することにより、「被害を感じない程度」に抑えることができている。
という体感を得ています。
ちょっとイメージして欲しいのですが、土の中で何が起こっているか、
予想される土中と野菜の生育のバランスを解説してみます。
- 堆肥を使うことによって、野菜の根が健全に生育、その結果、地上部も順調に生育できる。
- 土中の菌のバランスが、善玉菌よりで、悪玉菌は抑えられている
- 気温、水分など菌核病発生(悪玉菌)の時期になると、悪玉菌が一時的に大増殖する。
- 悪玉菌が大増殖する時期に、適切な処置(上記の場合は、菌核病の対処農薬)を予防的にすることで、被害を感じない程度に悪玉菌の密度を抑えたまま、収穫を迎えることができる。
このように、土のバランス(菌のバランス)を
善玉菌>悪玉菌にすることで、悪玉菌の密度を抑えて、病気を抑えることができている。
という体感です。
【堆肥を使って】野菜の糖度が上がった理由は、野菜の免疫力が上がったから
ニンジンの糖度の上昇は、寒さから「ニンジンが凍てつき、凍ってしまうのを防ぐため。ニンジンの生存を維持するための免疫効果の一例です。」
免疫力が上がるというのは、人でたとえれば
- 免疫細胞が増える
- 免疫細胞が強くなる
という2つの考え方があります。
野菜で言えば、「抗酸化力」が高いという評価項目があります。
抗酸化力は慣行農法よりも、有機農法の方が増加するという検証結果もあります。
生産方法の違いによる抗酸化力の変化
- 慣行農法の小松菜の抗酸化力 468μmol /ml
- 有機農法の小松菜の抗酸化力 638μmol /ml
【農家が使う】堆肥の使い方。入れる価値は「ある」
堆肥を入れる価値は十二分にあります。
堆肥を入れる価値
- 土の微生物が増えるための餌になる
- 土が柔らかくなるための団粒構造を作るのに役立つ
- 野菜の根が伸びやすい土になる。
とっても「良いことはわかります」けど、優先順位的には、あまり高くないのかな?
と、思うのではないかなと思います。
野菜を作ったことがない頃の10年前の私のように、
野菜作りの経験が少ないと思うことがあります。
- 野菜の品質に微生物が重要だと理解できない
- 土に苗を植えて、水をあげればうまく収穫できると思っている
でも、
やってみて、うまくいきましたか?私はうまくいきませんでした。
だから、堆肥の使い方を農家同士で共有して
- 今の、「思ったよりイマイチな今の野菜の出来栄えをよくしたい」
- 今より、「長期間、収穫できるようにしたい」
と考えて、堆肥をどのように使うのか、
上手くいっている具体的な使い方を書いていきますね。
ニンジンの糖度を13度まであげた堆肥の使い方「考え方」
私が作るニンジンは、糖度が10度から13度というかなりの高糖度のニンジンができています。
ニンジンの糖度は「甘い」と言われるニンジンで、糖度8〜9度。
この10度〜13度の数字が出たのは、
- 肥料でもなく
- 品種だけでもなく
- 堆肥によって土づくりをした「結果、糖度が10〜13度に至った」
と言えると思います。
【手順】ニンジンの糖度を13度まであげた堆肥の使い方「堆肥を散布する手順」
堆肥を300坪あたり3000kg散布します。
めちゃめちゃ凄い量に聞こえてしまうので、もう少し現実的な、家庭菜園の量に直します。
- 1坪あたり堆肥を30kg用意します。
- 乳酸菌を用意します(あれば)
- 1坪に堆肥を30kg散布します。
- 散布した上から、乳酸菌を振り撒きます。(あれば)
- 水を撒いて、乾いたら土と混ぜます。(雨でも可)
このように堆肥を散布しています。
堆肥の使い方「土作りは堆肥」堆肥は微生物を増やすため、肥料は野菜のエネルギー
堆肥がうまく機能する使い方は
堆肥+肥料=品質の良い立派な野菜が完成!
堆肥を入れただけでは野菜は立派に育たないことも多いです。
その理由は、「堆肥」とは、微生物を増やすための餌であり、単体で野菜が育ちきるほどの十分な肥料成分に代替えされるものではないからです。
つまり
- 堆肥は微生物の餌。土が野菜の根が育ちやすい環境を作れる
- 堆肥だけで野菜は十分に大きく育たない
- 堆肥=肥料ではない。
ということです。
【すぐ植えていい?】堆肥の使い方「障害が起きないようにする」
堆肥を入れた後、すぐに野菜を植えるとうまくいかないことがあります。
特に、根菜類は致命的にうまくいかない。
堆肥は根菜類にとって、石と同じ、障害物のようなもの。
- 根はとても元気に育ちます。
- ただ、真っ直ぐ1本にはなりません。
こちらを解決するために、
堆肥を散布したら、すき込む前に一度雨に当てます。
雨に当てて、土に染み込ませた後、土にすき込むようにします。
これでキャベツ、ブロッコリー、白菜などは大丈夫で、
根菜類は半年前に行うことで大丈夫です。
堆肥の使い方。夏でも、冬でも「障害が起きずに、植えれるか」
上記の見出しのやり方で、
- 夏のような暑い気温の時
- 春や秋など、心地よい気温の時
- 冬のような、発酵が進まない低温の時
など、気温の変化によって、大丈夫かな?と心配になります。
こちらも、
堆肥を散布したら、すき込む前に一度雨に当てます。
雨に当てて、土に染み込ませた後、土にすき込むようにします。
この工程を踏むことで、障害は起きませんでした。
根菜類に関しても、上記の見出しと同じ条件になると思うので、
参考にしてみてください。
それでも、どうしても不安になる場合、1/10程度の面積で実験してみることをおすすめします。失敗しても、リスクが少なくなる範囲、環境で1度試し、実感してみることが一番です。
【スコップで】道具を使って簡単に散布する。堆肥の使い方
スコップを使うことで、かなり簡単に対比を散布することができます。
大型機械を使って、堆肥を均等に散布できれば楽なのですが、
家庭菜園でショベルカーのような作業機を使うことはまれなので、
- 自力で、
- 簡単に、
- 疲れないように
- 堆肥を散布するには
- スコップを使うのが一番です。
100kgくらいの大量の堆肥を撒くのにも、
スコップ1本あれば、結構力を使わずに、楽に散布することができます。
畑が長期の雨で水没してしまい、野菜がうまく作れない場合は、水抜きの方法や畝の作り方を変えると、野菜がうまく作れるようになります。
具体的に野菜を植えれるようにするまでの土づくりを、ステップ1〜4で解説している
固い粘土質の畑を効果的に野菜ができるようにする手順を見ることで、籾殻や堆肥を入れて植え付けするまでのタイミングも知ることができます。
そのような手順を使うことによって、キャベツや人参、白菜などを栽培するための土づくりをしています
堆肥を使うことで、野菜はよくなりました。入れる価値はあります。具体的にニンジンは糖度が13度になり、とても美味しく育つようになりました。
また、農家4人が答えた「固い土をふかふかに柔らかくした方法」を解説しています。
堆肥を使うことで、肥料が減る実例を公開しました。2021年の秋から肥料がさらに値上げしますが、堆肥を使うことでコスト増加分を削減可能です。
やさい作りのすべての根っこ!「土づくり」
粘土質で作れる野菜は
楽に作れる:キャベツ、白菜、ブロッコリー、葉物
中 級 :かぼちゃ、ミニトマト、レタス
上 級 :ニンジン、大根、短根ゴボウ
2021肥料値上げ💦対抗手段は【コスト削減】堆肥を入れると肥料が減る実例
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